「侍の国」




私たちの国がそう呼ばれたのは、今は昔の話。













第一訓  天然パーマに悪い奴はいない    前編なんだよコノヤロー















「銀っ!」

「ん?ああ、じゃねえか。どーしたこんなところで」

「や、普通に仕事帰りだから。朝も言ったでしょ?」

「悪ィな、俺は朝は弱いんだ」

「知ってる。で、あんたは私が一生懸命仕事してるときに何やってたのかな?

「いやー、それは、…なぁ?」

ふーん?1人でパフェ食ってたんだ?私が一生懸命働いてお金つくろうとしてるのに?」

「随分と棘があるじゃねえの…」

「うん、わざとだしね。まあいいや、後ろ乗っけてよ」

「おう。銀さんに抱きついとけ」

嫌。つーか次行く時は私も連れていってよね。…?ねえ、本当にパフェ食べた?」

「食ってねえ。丸々こぼされた」

「やっぱりね…、どうりで甘いにおいしないと思った」

「って俺のことよく分かってんなー、やっぱ愛?」

「今すぐ粉々にされたい?」

すんまっせーん。でもやっぱアレだな、糖分とらねえとイライラすんな」

「それアンタだけじゃないの?家帰ったらなんかつくってあげるから我慢して」

「よっしゃ、特製な!」

「はいはい」

























おいィィィィィ!!

「……ちょっと銀、何あれ。アンタ何かしたの!?」

「よくも人を身代わりにしてくれたなコノヤロー!!アンタのせいでもう何もかもメチャクチャだァ!」

「ああ、木刀返しに来てくれたの」

「明らかに違うよね!?」

「違うわァァ!役人からやっとこさ逃げてきたんだよ!」

「は!?役人!?なにそれ、アンタ本当に何かしたの!?」

「今時侍雇ってくれるところなんてないんだぞ!!」


























そう言ってメガネは銀時の木刀を振り上げる。アレ、その位置で振り上げるって…私あたるじゃん!

























「ちょっ…ちょっと待って!暴力はダメ!平和に話し合「うるせェェェ!平和に解決したら警察なんていらねェよォォ!」…うる…?銀」

「了解。前によれ」

「うん」

























私は銀時に抱きつき、次に起こるであろうことに備えた。ブレーキを踏むと、後部が上がり、メガネの……うん、まあ大事なところにクリーンヒット。はッ、ざまーみろ!

























「私にうるせぇなんて1億年と2千年はやいんだよバーカ!」

「さん恐ろしー」

「実行したのアンタだってば」

























その後、私達…というか銀はメガネとポジティブについて話していた(←違う

とりあえず、そこは省くとして、大切なのは次だと思う。

あの出来事は、多分今までの人生で15番目ぐらいにびっくりした。微妙とか言うなよソコ!

























「あら?新ちゃん?」

「げっ、姉上!」

「姉上…?綺麗な人ー」

「あ…どうも」

























第一印象は良かったんだけれども、やっぱね、個性があったんです。
























「仕事せんと何ぷらぷらしとんじゃワレボケェェェ!」


























…弟くんにとび蹴りを食らわせるって…、個性なのかな…?


























「おい、行くぞ今のうちに」

「え、まじ?いいの?」

「いいんだよ早く乗れ」




























銀時が原チャリを起こしているとき、メガネとそのお姉さんは銀時を指差し何かもめていた。

嫌な予感がしたので私は2・3m離れてみていたところ、案の定、銀には鉄槌がくらわされました。

ハハ…、乗らなくて良かった。





















*********




















「銀ー、買ってきたよ」

「おー、そこおいとけ」

「ん。ってアレ、お姉さんは?」

「…かくかくしかじかだ」

「ああ、そうなの?じゃあアレ、新ちゃんは?」

「そこ」

んだよチキショー!父ちゃん父ちゃんってあのハゲが何してくれたよ!

「父ちゃんハゲてたのか」

「いや精神的にはげて…ってアンタらまだいたんですか!!しかも何人んちで本格的なクッキングしてんの!!」

「いや定期的に糖「分はいいから」…ねーちゃん追わなくていーのか」

「知らないっスよ。僕は父上や姉上なんかよりもっと器用に生き延びてやりますよ」

「そーかい。でも俺にはとても、お前が器用には見えねーけどな」

「お姉さんは好き?」















うなずくメガネ。
























「そう、じゃあ行こっか」

「おいおい、原チャリ三人も乗れねーぞ。どーすんだよ」

「こんなときに規則守ってどうすんの。今こそ規則を破るべきだっての!」

「ったく、しゃーねーな」

「行くよ!メガネくん」

「志村新八です」


























大切なもの、失くさないように今をしっかり生きなくちゃ。

たとえ、自分が不器用だとしてもね!