「そこのノーヘル、しかも3人乗り、止まれコノヤロー。道路交通法違反だコノヤロー」
「うるせえコノヤロー、黙ってろコノヤロー」
「ちょっ、さん!」
第一訓 天然パーマに悪い奴はいない 後編ですけど何か?
「大丈夫ですぅ、頭かたいから」
「そうよ、そして私はバランス感覚が良いんだから後ろに立ったって大丈夫なんですぅ」
「そーゆー問題じゃねーんだよ!!規則だよ規則!!」
「うるせーな、かてーっていってんだろ」
「規則はやぶるためにあんだよ」
「違うから!さん違うから!ってアンタ何頭突きしてんですか!!」
「うるせーなしょうがねぇだろ不可抗力だ」
「明らかに意図的だろうがァァ!ってあ゛!出発しちゃった!!」
「あららー、高いねあれは」
目的地は空飛ぶ船。
出航時刻を過ぎ、船は空高くあがっていく。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!姉上がノーパンにぃ!」
「なんだとォ!!ノーヘルのうえノーパンなのか貴様!!」
何を勘違いしたのかノーパンにくいつくおじさん。
「人の話し聞けコラ!姉ちゃんだっつってんだろーがァ!!」
「オイ」
「何?」
「アレ、強奪してこい」
「ラジャ!」
「ラジャってなんだよ!オイ!」
「行ってきまーす」
「話し聞けェェェ!」
原チャリの一番後ろに立っていた私は、空飛ぶパトカーめがけて飛び移る。
その後は、まあ、優しいおじさんにパトカーから降りてもらって、運転を代わってもらった。
銀と新ちゃんが乗り込むのを待って、勢いをつけて遊郭につっこむ。
「サツがかぎつけてきおったァ!」
焦るおっさんに銀は言った。
「安心しなァ。コイツはただのレンタカーだ」
「代金高くつきそうだけどねー…」
「どーも、万事屋でーす」
「姉上ェ!!まだパンツはいてますか!!」
「なんて失礼なこと聞いてんだよ弟!」
「おのれら何さらしてくれとんじゃー!!」
「姉上返してもらいに来た」
「アホかァァ!!どいつもこいつももう遅いゆーのがわからんかァ!!!新八、お前こんな真似さらして道場タダですまんで!!」
「道場なんてしったこっちゃないね。俺は姉上がいつも笑ってる道場が好きなんだ。姉上の泣き顔みるくらいならあんな道場いらない」
「ボケがァァ!!たった3人…しかも1人は女!?何できるゆーねん!!いてもうたらァ!!」
「うっさいわマッシュルームが!女と思ってなめてんじゃねーぞコラァ!」
「おい、ここは俺がひきつける。お前は二人を頼む」
「…ちぇっ。久々に暴れようと思ったのに」
「いつも暴れてんだろ。俺は俺の護りてェもん護る」
「ったく、かっこつけ!じゃあ行くよ、姉弟さん」
走り出す私についてくる二人。たまに弱いのが私たちを止めようとするけど、そんなやつらはとりあえず顔面パンチをおみまいしてやった。
「さん!良いんですか!?」
「大丈夫ー!アイツは戻ってくるから!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
「!!戻ってきた!」
「思ったよりキツかったんだ!!」
「ちょっ、コラ銀!!!てめ、なにやってんだよ片付けてくるまで戻ってくんなよコラァァァ!」
「バカヤロー、あれ意外ときついんだぞコラ!」
「知るかよォ!だったら私がやってたっつーの!って何だココ!」
「ど…動力室!?」
「行き止まりや、おたくら侍に護れるもんなんてもうなんもないで。この国も…空も、わしら天人のもんやさかい」
「国だ空だァ?くれてやるよ、んなもん。こちとら目の前のもん護るのに手一杯だ。俺にはもうなんもないがよォ、せめて目の前で落ちるものがあるなら拾ってやりてェのさ」
去ねや、と銃をかまえるマッシュルーム。
でも、動力にあたるとやばいとかでもめているみたいだ。
その間に銀は上へのぼって、木刀を振り上げ、そして、思いっきり振り下ろした。
ゴズン!と大きな音を立て、動力は壊れた。
突然嫌な浮遊感に襲われ、そのまま落下。
「ぎゃああああああああああ」
「というわけで、これからお世話になります、志村新八です」
「ます?ましたじゃなくて?」
「はい、お世話になります」
「はああああ!?ちょっ、うち給料とか考える以前に収入危ないんですけどォォ!」
「誰のせいだと思ってんですか」
「………。銀時ぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
「えっ、ちょっ、ちゃあーん!ドロップキックは痛いんだけどォォォ!!」
万事屋がにぎやかになりました。
…最悪。