体が回復してから少し経って、桜の季節がやってきました。
第十四訓 酔ってなくても酔ったふりして上司のヅラ取れ
というわけで、志村姉弟、そして私、銀、神楽はお花見にやってきたのですが、とりあえずお妙が出した弁当にあわてた。
「なんですかコレは?アート?っていうかお前なんで弁当つくんなかったの?」
「いや私は妙がつくるからって言ったので甘えさせてもらって…」
「私卵焼きしかつくれないの〜」
「"卵焼き"じゃねーだろコレは"焼けた卵"だよ、なァ」
「卵が焼けていればそれがどんな状態であろうと卵焼きよ、ねえちゃん」
「え…」
「違うよコレは卵焼きじゃなくてかわいそうな卵だよ、なァ」
「私に振らないでよ」
「いいから男は黙って食えや!!!」
銀、没する。
神楽も無理矢理食べるけど、新八にとめられる。
「ガハハハ、全くしょうがない奴等だな。どれ、俺が食べてやるからこのタッパーに入れておきなさい」
…間。
「何レギュラーみたいな顔して座ってんだゴリラァァァ!!どっからわいて出た!!」
「たぱァ!!」
「ねえ…やつがいるってことはまさか…」
そのまさかでした。
怖い顔した役人さんたちがズラリ。
「オウオウ、ムサい連中がぞろぞろと…。何の用ですか?キノコ狩りですか?」
「そこをどけ。そこは毎年真選組が花見をする際に使う特別席だ」
「どーゆー言いがかりだ?こんなもんどこでも同じだろーが。チンピラ警察24時かてめーら!」
「同じじゃねぇ。そこから見える桜は格別なんだよ。なァみんな?」
どーでもいいけどぶっちゃけこれただの言いがかり…とか思ってたらやっぱ銀も同じこと考えてたみたいだ。
「まァとにかくそーゆうことなんだ。お妙さんとちゃんを残して去ってもらおーか」
「いやなんで私?」
「いやお妙さんとごと去ってもらおーか」
「いやだめだってば」
「何勝手ぬかしてんだ」
「まったくだよ」
「を気軽に渡せると思ってんのか」
「そこじゃねーだろ」
「幕臣だかなんだか知らねーがなァ、俺たちをどかしてーならブルドーザーでももってこいよ」
「ビッグプリンもってこいよ」
「ハーゲンダッツ1ダースもってこいよ」
「フライドチキンの皮もってこいよ」
「フシュー」
「案外お前ら簡単に動くな」
「面白ェ…幕府に逆らうか?」
…とまぁ一触即発な雰囲気。
そこで総悟によって提案されたのが…
「第一回、陣地争奪…叩いてかぶってジャンケンポン大会ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
「花見関係ねーじゃん!!」
司会→山崎、新八
「勝った方はここで花見をする権利+お妙さん、さんを得るわけです」
「何その勝手なルール!!それじゃ僕ら勝ってもプラマイゼロでしょーが!!!」
「じゃ君らは+真選組ソーセージだ!屯所の冷蔵庫に入ってた」
「要するにただのソーセージじゃねーか!!!」
「ソーセージだってよ、気張ってこうぜ」
「オウ」
「バカだ…」
第1戦目
近藤VSお妙さん
「姉上、無理しないでください。僕代わりますよ」
「私も代わるよ??」
「いえ、私がいかないと意味がないの…。あの人どんなにつぶしても立ち上がってくるの。もう私も疲れちゃった。すべて終わらせてくるわ」
「…ねェ。新八くーん」
「…はい、そうですね」
言いたいことが伝わったらしい。
お妙の目はヤバかった。
試合が始まり、早速お妙がじゃんけんで勝ち、近藤さんはヘルメットをかぶったが、ルール無視でお妙の鉄槌は振り下ろされた。結局1戦目は無効。
と思いきや2戦目、総悟VS神楽の戦いはすでに始まっていた。
「うわヤバイ…」
「ええ、すごいですね」
「いやそうじゃなくて…」
「え?…って何アンタら飲んでんの!?」
「あん?勝負はもう始まってんだよ」
第3戦目、同時進行。
というか酒の飲み比べ?
「おお!!そうこうしているうちにこっちはもっと苛烈に!!!」
「ただの殴りあいじゃねーか!!」
「だからルール守れって言ってんだろーがァァ!!」
「…やっぱり」
「しょうがない、最後の対決で決めるしかない」
「いややつら吐いちゃってるけど…」
「オイぃぃぃ!!何やってんだこれじゃもう勝負つかねーよ!」
「心配すんじゃねーよ!シロクロはっきりつけよーじゃねーか」
あろうことかやつらは、真剣で斬ってかわしてジャンケンポンをはじめた。
「…危な…」
お互い酔っているせいで、銀も土方さんも勝負になっていない。
「…お互い妙な上司がいて大変ですね」
「そうだね」
「一緒にのみましょうか。愚痴を肴にして」
「お妙ーっ!お花見しよ!」
「あら、みんなを放っておいてもいいの?」
「いいのいいの!勝手にやって終わるよそのうち」
その後、私たちはお花見(普通の)を楽しみました。
やっぱ春はいいね!