あー、そろそろ転職考えようかな…。
第十五訓 男ならとりあえずカジキ!
収入があまりにもないとき、私は臨時のアルバイトに出る。
バイト先は日によって違うけど、大抵の仕事は即こなす。
…なんで万事屋やってんだろ。
まあそんなこんなで、この日もバイトでちょっとは稼いできた。
あんまり役には立たないけど、結果的に私が一番働いてるんだから良いと思う。
「ただいまー」
「ーっ!」
「…なに?なんでそんなに勢いよくお出迎え?」
ダッシュで走ってきた神楽。
手に持っているのは緑の…布?
「手伝ってほしいアル!」
「…は?」
そう、私は結構なんでもこなす。
家事もだし、運動もだし。
「…だからなんでカッパ?」
「いろいろあったんだよ」
「そうネ!カッパがぐあーって!」
「いや神楽ちゃんそんな表現じゃわかんないよ」
「あ、そんなことがあったの?」
「ってわかるのかよ!」
「…でもちょっと無茶じゃん?夜までにカッパ3着…ん?」
私の手元には2着分、銀、新八のもとにそれぞれ1着ずつ。
「3?ん?」
「あ、これの分もあるヨ」
「何で!?何勝手に用意してんの!?」
「だってのカッパ見たかったしー」
「うわうっざ!」
こういうところで私の稼いだお金は消えていくんだと思う。
「私着ないからね!絶対着ないからね!!」
「いいだろたまには、楽しいぜ」
「お前がな!」
「さん着ないんですか!?」
「私とカッパやりたいアル!」
「新八…神楽…。わかった、今回だけね」
「「やったー!!」」
「アレ、俺のときは嫌がってたじゃん!」
「だって銀だもん」
「だもんじゃねーよ!銀さん傷ついちゃったよ!?どーすんの俺!?」
「らいふかーどでも使えば?」
しゃべりながらも作業は着々と進める私。
いつの間にか1着目はできていて、2着目(私の)にとりかかっている。
「え!?速くない!?どーゆー手してんだお前!その手はミシンですかコノヤロー!」
「裁縫は得意なんです」
「へー、じゃあ俺の嫁n「調子乗んな」ぐはっ…」
その後?私の手によって全ての作業終了。
「で、本当にきるのコレ?」
「そーヨ。私達ここで着替えるから銀ちゃんたちどっか行けヨ」
「普通お前らが着替えてくるーとか言ってどっか行くだろ!」
「私がルールネ」
「理不尽すぎるよ!」
「さっさと行けヨ」
「ったく…」
「着替えるネ」
「はーい」
…着ましたとも!着てやりましたよ!
ここで着ないと「あれ?何?恥ずかしがってんの?」とかいわれちゃうだろうからね!
ええ着ましたとも!
「かわいいアルな」
「いやいや神楽の方が可愛いよ」
「いやいや可愛いぞ。さすが俺の」
「誰のだって?いつの間に戻ってきたの?」
「今」
「ああそう。どーでもいいけど早く行こう!はやく終わらせよう!はやく着替えよう!」
「えー俺もう少しのカッパ見たい」
「変態か!…いまさらだよね」
「なんで!?俺変態じゃねェよ!」
「はっ、ほざけ」
「おーいキャラ変わってんぞー」
とにかく私らは動き出した。
要はターゲットを怖がらせれば良いらしい。
神楽→三郎河童、新八→二郎河童の順にターゲットの数を減らしていく。
「…順番的におかしいんだけど、四郎河童!おじさんちっちゃいね」
とりあえず目の前のおじさんを倒すと、ボスらしきおじさんが「小東…」といって焦った。
私を見てそいつは後退りするが後ろには銀。
「蝦夷は洞爺湖から参上つかまつった河童四兄弟が長男、太郎河童!!今すぐこの土地から手ェ引いてもらおうか?」
「かっ…勘弁してくれ!河童といえばなんだ?好きなものを言え。俺は髪の毛はあまりないが金だけはあるぞ」
「自覚してんだね」
「好きなもの…そーさな、と、甘いものと…酔狂な奴かな…」
「…アホか」
「ちょっ、アホって何!銀さん本気で言ってんですけどォォォ!!」
「はっ」
「ちゃァァァん!?」