「あーあんなところに飴玉の楽園がー」
「飴玉の楽園って何!?さん大丈夫ですか!?」
「何言ってんの新八。私ちょっとあの川越えてくるね」
「アホかァァァ!それ三途の川だろうがァァァ!!」
第十八訓 困ったときは笑っとけ笑っとけ
前回のアクシデントにより、私達は知らない星に不時着。
暑さでみんなやられてます。
だがしかーしつっこみはけんざいである(棒読み)
「…ん?」
そんな時、大きな船がやってきた。
「船だァァァァ!!」
「救援隊だァァァ!!」
「…おー、助かったー…」
聞けばその船は商船。
辰馬を頭としているらしい。
大丈夫なんだろうか。
「…アンタが紅…いや、じゃな?」
「はい…?そうですけど」
髪の長い女の子。
………可愛い。
「おんしの話はよく奴から聞いちょる。わしは陸奥じゃ」
「よろしく。辰馬が頭じゃ陸奥さんも大変でしょ?」
「陸奥でよい。確かに大変じゃ。奴はわしらに黙っていつもフラフラしちょー。目を離せばすぐこれじゃ」
「頭もモジャモジャだしカラだしね」
「その通りじゃ。何じゃ、奴の馴染みと聞ーちょったから、アンタもフラフラしとるんじゃと思っちょったが、なかなか話せる人じゃった」
「あ、やっぱりそのイメージだった?」
「まァ…、もう一人の方は…」
「フラフラしてるでしょ?まったく…何考えてるのかわかんないよね」
陸奥の言う気持ちも分かる。
フラフラしてるよね、銀は。
「…………おんし、もしかして……」
「え?」
陸奥の言葉を聞き返そうとしたとき、人が巨大な生物に襲われ始めた。
「何あれ!」
近くにいた新八のところへ駆け寄ろうとする。
辰馬がちょうど捕まったところだった。
「あのアホ!!」
「あれは多分砂蟲。この星の生態系で頂点に立つ生物。普段は静かだが砂漠でガチャガチャ騒いじょったきに、目を覚ましたか……」
「ちょっとアンタ自分の上司がエライことなってんのに何でそんなに落ち着いてんの!?」
冷静な陸奥につっこむ新八。
「勝手なことばかりしちょるからこんなことになるんじゃ。砂蟲よォォ!そのモジャモジャやっちゃって〜!特に股間を重点的に」
「何?何の恨みがあんの?」
「陸奥、言葉通じないんじゃ…」
「そこじゃねェェェ!!!」
辰馬は銃で他の乗客を逃がす。
自分も逃げればいいのに。
怒った砂蟲は船に絡みつき、全体を地中に沈めようとし始めた。
「大砲ばお見舞いしてやれ!」
「でも坂本さん!」
「大砲うてェェェ!!!」
「ちょっ…あんた坂本さん殺すつもりですか!?」
「…陸奥…」
ちょっ…確かに大砲はヤバイよね!
銀…!!
私は銀の元に走り出した。
「銀!!」
「おー、どうした」
「辰馬が!!砂蟲に!!どーしよう!!」
「…ったくあのモジャモジャが」
「モジャモジャしてるのは銀ちゃんも同じアル」
「ばっ…バカヤロー俺はモジャモジャじゃなくてクルクルだ」
「よくわかってんじゃん…じゃなくて早く!」
「わかったわかった。まァ待ってろよ」
「うん」
走り出す銀を後ろから見守る。
「は行かなくていいアルか?」
「ん?行くよー」
「じゃあ行くアル!」
「そうね」
「、おんしは宇宙へ来んか?」
「私?宇宙へ?」
「そうじゃ」
「うーん…、私は行かない」
「なぜじゃ?」
「…地球が好きだから」
「そうか…。そういえば奴もそんなことを言ったぜよ」
「…?」
「似たもの同士じゃの〜」
「ばっ…アイツとなんか似てない!」
「おんしらは相変わらずじゃの〜」
「何がだよ」
「銀!辰馬!」
「わっ、何やってんだバカヤロー、いきなり上から降ってくんなよ!」
「いいじゃん、ちゃんと受け止めてくれたんだし」
「…ったく」
「何も変わっとらんぜよ」
「なにが?ていうか良かったね死ななくて」
「わしはこんなことじゃ死なんぜよ」
一応みんな無事だったようなので、よしとしましょうか。
うん、でもやっぱり辰馬…覚えてろよ!