「…は?怪盗フンドシ仮面…?」
「はい。なんでも、キレーな女性の下着を盗んでモテない男にバラまく、そんな奴らしいです」
新八からの電話。
なんだか志村家は今大変だそうです。
「ヘェ…そいつか…」
「へ?」
「ううん、なんでもないよ。で?お妙たちはそいつを血祭りにするって…?」
「はい…。さん、止めにきてもらえますか?」
「わかった。今から行く」
第十九訓 ああ やっぱり我が家が一番だわ
「こんにちはー」
私が志村家に着いた頃には、みんなが殺気立ち、戦闘に備えているところだった。
「あら、遅かったじゃないさん」
「そう?」
「さん!一緒に止めてください!!」
「いいんじゃない?怪盗フンドシ仮面…?調子乗んじゃねェよ」
「ま…まさか」
「人の下着に勝手に手だしやがって!!」
「やっぱり!!」
何を隠そう、私も奴の被害者である。
地雷を受け取り(なんで地雷?)、至る所に埋めていく。
おとりの下着の床下にも設置。
そして夜。
「…ちょっと」
口を開いたのは新八だった。
「全然泥棒来る様子ないんですけど」
「大丈夫だよ来るって」
「だから何を根拠に今日来るって言ってるんですか?」
「あんなこれ見よがしにパンツがぶら下がってるアル。下着泥棒がほっとくわけないヨ」
「いやあからさますぎるよ!罠丸出しだし」
「オイ、デケー声出すんじゃねーよ!泥棒にバレたら全部パーだぞ」
「パーなのはオメーらだよこのクソ暑いのによ」
「なんだとこの野郎コンタクトにしてやろーか!」
「バカコンタクトは高いんだよ」
始まった喧嘩に近藤が仲裁に入る。
買出しに行くためその場を離れるが…
ピッ
電子音の後に爆発。
みんな地雷をどこに埋めたのか分からないみたいだ。
「大変だわ。明日、新聞配達のオジさんが爆発するわ」
「言ってる場合ですかァァ!!」
「フハハハハ!!」
そんな時、最悪のタイミングで奴はやってきた。
「なんだか俺のためにいろいろ用意してくれていたよーだが、無駄に終わったようだな!」
「うわー…まじでフンドシ…」
「こんな子供だましに俺がひっかかるとでも?そこで指をくわえて見ているがいい。己のパンツが変態の手に渡るその瞬間を!!」
「変態の自覚はあるんだね」
「さん、どうしよう!」
「まあちょっと見てなよ」
フンドシ仮面はパンツの下の床に着地…した瞬間に爆発。
「床の下にもセットしてたんですね」
「あ、私」
「でも家が壊れちゃったんですけど」
「…。まぁそれはご愛嬌ということで」
…ごめんなさい。
しかし、空を舞うパンツはフンドシ仮面の手に…。
「こんなものじゃ俺は倒れない」
「いや倒れろよ地雷だぞ」
「全国の変態たちが俺の帰りを待ってるんだ。クク…さらば、」
「待てェい!」
フンドシ仮面を抑えたのは近藤だった。
「銀時ィィ!何やってんだ早くしろォ!!今回はお前に譲ってやる!」
木刀を抜く銀。
「うるせーな。言われなくてもいってやるさ。しっかりつかんどけよ」
「銀」
「ああ分かってる。お前の恨みもはらしとくぜ」
「いやそうじゃ…」
「うらあああ!!」
途中で銀も爆発。
「…だから言おうとしたのに」
「フ…フハハハハハ、やっぱり最後に笑うのは俺…」
「女を……」
銀を踏み台にしてお妙はフンドシ仮面を撃破。
「なめるんじゃねェェェ!!!」
「…やっぱお妙は怖いわ」
「素顔もさらせない人に私のパンツはやれないわ。ほしけりゃ素っ裸で正面から挑んできなさい。心まで、ノーパンになってね」
神楽、新八がお妙に駆け寄る。
「あ、危ない」
やっぱり爆発。
よく見れば埋まってるところなんて分かるのに。
「銀ー、大丈夫?」
「…お前なんで無事なの?」
「だってわかるんだもん」
「言えよ」
「だから言おうとしたのに」
「…心配したかァ…?」
「んなわけない」
「ちょっとは素直になれよコノヤロー!」
結局、役人が来て安全になるまで、私達はそのままじっとしていました。
何人か爆発したけどね。