「!おはようアル!!」
「おはよう、神楽。顔洗っておいで。あと髪も梳かしておいで」
朝、目を覚ましてみると、出来立てのご飯のいい匂い。台所を覗くと、今週の食事当番のが朝ごはんの支度をしていた。あいさつをするとまるでマミーのような言葉が返ってきた。それがなんとなく嬉しくなって、スキップして洗面所へ向かった。
第二十三訓 寝相と寝癖は関係ない
「銀ちゃんはまだ起きてないアルか?」
「そうみたいね」
まったく…、ダメ人間はほんとにダメアルな。どうしてが銀ちゃんと一緒にいるのかちょっとわかんないヨ。
でも…、今のの返事は何か違和感があるネ。
いつもならあのダメ人間がァァ!!とか言って叩き起こすこともよくあるのに、今のはアイツなんかもうしらねーよこのダメ人間が、みたいな感じだったアル。…喧嘩したアルか?
「どしたの?神楽」
「な、なんでもないアル!私、銀ちゃん起こしてくるネ!」
きっと銀ちゃん起こしてくれば分かるネ!
銀ちゃんが寝ているであろう部屋の襖を開けると、空っぽの布団が目の前にあった。
「銀ちゃん…?」
そして銀ちゃんはなぜか部屋の隅に転がっていた。
しかも、寝ているというより、白目剥いてるアル。
「どうしたアルか銀ちゃん。死んでる?」
これは夜中私が寝てる間に何かあったに違いないネ。女の勘ヨ。
叩き起こすと、銀ちゃんはぐおっとか言って飛び起きた。
「銀ちゃんそんなところで何してるアルか?」
銀ちゃんは周りを見渡して小声で話し始めた。怪しいアル。
「あ?いや別に何もしてねーよ、つーかは?」
「ならもう起きてるヨ。何かあったアルか?」
「いや別に何もねーよ。つーかの機嫌どう?」
「銀ちゃんに対しては悪いヨ。に何かしたアルか?」
「………」
どうやら図星みたいネ。
「何したアルか銀ちゃん」
「…なんでもねーよ、」
何かまだ言いたげだったけどが私を呼ぶ声が聞こえた。
「神楽ー?早く来ないとご飯冷めちゃうよ」
「今行くアル!…銀ちゃん、何かにしたなら早く謝るネ」
「………」
気まずそうな銀ちゃんを連れて(私偉いアル!)食卓に行くと、やや冷ややかな目をしたが待っていた。でも食事は三人分あるみたいネ。
「あ〜…、?」
「早く座んなよ、冷めちゃうじゃん」
アレ…?意外と普通アル。
「…?」
「座れって言ってんだろーが聞こえねーのかテメーは」
「はいィィィィ!!」
…やっぱり普通じゃないアル。
「神楽、それ醤油かけるやつだからね…って違うそれポン酢!!」
私には普通アル。
「さーん…、醤油とってくんね?」
「はい」
「おー、さんきゅ…ってこれポン酢ゥゥゥゥ!!」
「朝からうるさい」
ホント2人とも何があったアルか?
仲直りするには、まだまだ時間がかかりそうアル。