「おはようございまーす」





















やっと新八が来たアル。





















第二十四訓  人生に悩みはつきものだ





















僕が万事屋の戸を開けて、いつものように朝の挨拶をしたのは、やっぱりいつもどおりの時間。だけど何かいつもと違う。なんだか…、こう、ピリピリ…とは違うけれど重苦しい雰囲気が、居間に近づくにつれて強くなってくる。





















「お、おはようございます」





















居間に入ると、これまたいつもどおり朝ごはんを食べる銀さん、神楽ちゃん、さん。定春はおとなしく隅でえさを食べている。

ぐるっとあたりを見渡す。





















「おはよう新八、ご飯食べた?」

「はい、もう食べてきました」

「そっか」






















これもまたいつもどおりの会話。何が違うんだろう。もう一度3人を見比べてみると、神楽ちゃんと目が合った。





















「新八遅いネ。何してたアルか」

「遅いって…、いつもどおりに来たつもりなんだけど…」

「空気読めヨ、だからいつまでたっても新八ネ」

何それ!八じゃ悪いのかよ!!






















銀さんはなんだか下を向いたまま黙っているし、さんはそのまましゃべらなくなっちゃったし…。

不思議に思って首を傾げていると、食事が終わった神楽ちゃんが思いっきり僕の襟を掴んで爆走し始めた。





















「ぐぇっ」






















苦しいよ、と伝える間もなく神楽ちゃんはそのまま下の階のすなっくに入った。





















「何だィアンタたち、家賃でも払いに来たのかィ?」

「違うヨ、ちょっと取り込み中アル」

「どういうことだよ神楽ちゃん」






















原因はあの2人なんだろうけど…、というか原因があの2人ならそのままおいて来てよかったんだろうか。





















その頃、万事屋。





















どうしようどうしようどうしようどうしよう俺ェェェ!!まさかちゃんこんなに怒るとか思わないもの俺!!こう…、ちょっとなんだかしばらく口利けないのは目あわせると顔が赤くなって恥ずかしいからだとかそんな理由だろうなとか想像してたけどもまさかこんなに般若みたいに怒り狂うなんて思わないもの!!というか神楽に新八はもう少し気を遣ったりしろよお前ら、というか何言ってるか自分でもよく分からなくなってきた俺どうしよう俺ェェェ!!?





















「あ…、あの〜さーん」

「そうだ、私今日出かけてくるから」






















ちょっ、目も合わせてくれないんだけどちゃん!銀さん傷ついちゃうよ俺が悪いんだけれども!





















悩んでいるうちに、は仕度をして出て行ってしまった。





















「…まじでどーすんだ俺」





















頭を抱えて悩む姿を、定春はじっと見ていた。