「はい、もしもし、万事屋………土方さん?」






















突然かかってきた電話。それはまさかの土方さんからでした。





















第二十八訓  ベルトコンベアには気をつけろ





















「ごめんねー、アイツらが迷惑かけて」






















私が屯所についたときには、銀、神楽、新八の三人はすでに木につるされていた。





















「まったくだ。つーか何であんなバカなことする前にとめなかったんだ?」

「とめたよ?でも私の言うこと聞かなくてさぁ…」

































*******
「はァ………」

「どうしたんですか?ため息なんてついて」

「…新八…コレ…見てくれる?」






















新八に渡したのは通帳。

それも…





















残額ゼロ!?どうしてこうなったんですか!?」

「残額ゼロだァ…!?どういうことだよ!」






















新八の叫びに反応して銀も通帳を覗く。





















「この多額の出費は何だコレ!」

「…原チャリの修理費」

「…銀さん

「ちゃん…じゃあコレは?」

「…たびたび壊れる玄関の修理費」

「なんかその…すいませんでした

「わかればいいよ。でもね…依頼!なんでないの!少しは仕事しろよ稼げよ!」

「いやちゃんの収入は俺の収入だろ?」

そんなジャイアニズムはいらないから

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「そんな感じで何か良い仕事ないか話し合ってたらこうなって」

「いや人騙して儲かろうとすんなよ」

とりあえず儲かりゃいいのよ世の中金!

そんな顔して何どす黒いこと言ってんのお前!






















そんな中、近藤さんが話しかけてきた。





















「おいトシ、そろそろ降ろしてやれよあいつらを。いい加減にしないと総悟がSに目覚めるぞ」

「何言ってんだ、アイツはサディスティック星からやってきた王子だぞ。もう手遅れだ」

「そんなこと言わずにさァ…降ろしてくれないと稼ぎ手が減るんだよねェ…」

「お前はそればっか言ってんじゃねェ」






















私の説得のおかげか、奴らの縄は解かれた。





















「本来ならてめーらみんな叩き斬ってやるところだが、生憎てめーらみてーのに関わってる程今ァ俺たちも暇じゃねーんだ、消えろや」

「あー、幽霊怖くてもう何も手につかねーってか」

「かわいそうアルな。トイレ一緒についてってあげようか?」

「武士を愚弄する気かァァ!!」






















いや愚弄も何も幽霊にやられてちゃバカにされるわ。





















「トイレの前までお願いしますチャイナさん!」

「お願いすんのかィィ!」

新八、ツッコミ役とられてるよ

いや、向こうのボケは向こうに処理してもらいます






















そんなことを言っているうちに、近藤さんと神楽は中に入ってしまった。





















「てめーら頼むからこの事は他言しねーでくれ頭さげっから」

「…なんか相当大変みたいですね。大丈夫なんですか?」






















新八が声をかける。





















「情けねーよ。まさか幽霊如きで隊がここまで乱れちまうたァ。相手に実体があるなら刀でなんとでもするが、
無しときちゃあこっちもどう出ればいいのか皆目見当もつかねェ」






















土方さんは語ってるけど、銀はニヤニヤしている。





















「え?何?おたく幽霊なんて信じてるの?痛い痛い痛い痛い痛いよ〜お母さ〜ん。ここに頭怪我した人がいるよ〜!」

「お前いつか殺してやるからな」

「まさか土方さんも見たんですかィ?」

「あー、赤い着物の女?」

「わからねェ。だが妙なモンの気配は感じた。ありゃ多分人間じゃねェ」

「ふーん…」






















納得していると再び銀のからかい。今度は総悟も一緒に。





















「痛い痛い痛い痛い痛いよ〜お父さ〜ん!」

「絆創膏持ってきてェェ!!できるだけ大きな、人一人包み込めるぐらいの!」

「おめーら打ち合わせでもしたのか!」

「ほんと呆れるぐらい息ぴったりだし」






















「そういえば、赤い着物の女の怪談がありましたね」

か…怪談!?

「何だァ、この暑いのにくっついてくんなよ」

「私がこういうの苦手って知ってるでしょ!」

「へェ…苦手なんですかィ」

「笑うな総悟!」






















すると新八がしゃべりだした。





















「夕暮れ刻にね、授業終わった生徒が寺子屋で遊んでるとね、もう誰もいないはずの校舎に、赤い着物を着た女がいるんだって」






















掴んでいる銀の袖をさらに強く握る。





















「それで、何してんだって聞くとね…」

ぎゃあああああああああ!!

「きゃあっ」






















オチとかぶった叫び声に悲鳴を上げる。





















「……近藤さん?」






















聞こえた叫び声の主は近藤さんだった。





















「神楽どーした!!」

「チャックに皮がはさまったアル!」

「あ!?」






















ドアにかけよった土方さんは思い切りドアを蹴り開ける。





















「どけ!」





















中を覗けば、近藤さんは便器に頭をつっこんでさかさまになっていた。





















なんでそーなるの?





















つぶやかれた疑問に答えられるものは誰もいなかった。



































(10.10.31)
久々な更新の上に夢主空気、そして原作未読の人に厳しいお話仕様になっております←