「」





















後ろから自分を呼ぶ声がした。





















「晋助…?」

「疑問で返すぐらいなら振り向け」






















返ってきた言葉にくすりと笑うと、声の主、高杉晋助は私の隣に座った。





















「また見てんのか、桜」

「ええ」

「毎晩毎晩飽きねェか?」

「飽きないわ。だって綺麗じゃない」






















静かな夜に見る桜は好きだ。不思議な気分になる。





















「俺ァ、桜を見るお前を見るのは好きだぜ」

「ありがとう。…晋助だって、似合うわよね、桜」

「あァ?」






















晋助と初めて会話したのも、桜の下だった。月の光に照らされた桜の下で、一人酒を嗜む晋助に出会った。光と舞う桜の華が、晋助の妖艶さを増していた。





















「…懐かしいわ」

「フッ…」

「何よ」






















昔を懐かしむ私を横目で見て笑う晋助。





















「いや…、お前、あんときゃ酒飲めなかったんだったなァ」






















あの夜、酒を勧められて飲んだはいいものの、一口二口で酔ってしまった。酔った私はそのまま眠ってしまい、部屋まで運んでもらった。翌日の晋助にはからかわれたし、いつの間にかつけられていた首筋の赤い華は周囲の人を赤面させた。晋助は「花見の余興だ」なんて言ってたけど…。





















「しょうがないじゃない。あの時は特別強いお酒だったんでしょう?」

「…まァな」

「今はちゃんと飲めるわ。…強いのは無理だけど」

「じゃあ飲むか」

「少しだけね」






















桜の下で、彼と嗜むお酒は、格別おいしい。それはひらひら舞い散る桜のせいか、それとも私の心を掻き乱す、貴方のせいなのか。





















「…うめェな」






















きっとどっちもね。

























































いよいよ公開は明日になりました!

今週めちゃくちゃ早かったです。

というわけで、今日は高杉さんでした!

何がしたかったのかわかりません←