いつもいつも周りからダメツナって呼ばれてて、本人も自分はダメなんだって思い込んでて…。それでも私はツナのことが大好きで。どんなに周りに酷く言われたって、私だけが彼の良い所を知っていればいいと思ってた。例えツナが学校一可愛い京子ちゃんに恋していても、私のことなんてただの幼馴染だとしか思っていなくても、それでいいと思っていた。





















いつのまにかツナの側には、得体の知れない赤ん坊、リボーンがいて、不良の転校生獄寺くんがいて、爽やかな人気者の山本くんがいた。私の知らない間に、小さい頃から理解していた(つもりだった、)ツナが、私をおいてどんどん成長していく。知らない人と友達で、まるで私なんかいなくたって、それどころか、もともと私の居場所なんてなかったかのように、ツナの周りは華やいでいった。





















「」





















だからなんとなくむかむかして、幼馴染を避け始めたのは最近で、このままツナの側からいなくなっちゃおうかなんて考えていた今日、その幼馴染は私の考えに目敏く気付いたみたい。彼は放課後逃げ続ける私を追い続けている。今までだったら私の余裕勝ちだったはずなのに、いつまでも追いかけてくるツナを見て、ああ、体力もついたんだな、なんてことを考えると無性に寂しくなった。





















「!」





















とうとう追いつかれてしまって、ツナは私の腕を掴んだ。





















「…なんで逃げるの?」

「…ほっといてよ」






















息を切らせているのは私だけで、それがまた悔しくて素っ気無い返事を返す。





















「俺、ダメなんだよ」

「…そんなことないよ、みんな言ってる」

「違うんだ」

「何が」






















私だけが知っていた格好良かったツナが、優しいツナが、どんどんみんなの知っているツナになってしまって、それが寂しくて、悲しくて、辛かった。ダメじゃないことは私が一番知っていたのに。





















「がいないと、俺ダメなんだよ」






















こんな一言で心の中の蟠りがするすると解けていく。私、単純すぎるよね。





















「…ばかツナ…、知ってるよ」






















掴まれた腕から、温もりが伝わってくる。





















「そばにいるから、離れないでよ」

「…もちろんだよ」
























私の居場所